トークショウに先だって、ゲストの毛利眞人氏と今回のテーマである不良少女や大正~昭和初期の人々の意識や感覚についてオンラインで話してみました。
夜中の与太話ですが、ちょっと出し。
イベントの予約はこちらから→「NO_02「何が彼女をそうさせたか ~明治大正昭和 不良少女と少女ギャング団の時代~」
hirayama=平山亜佐子 mori=毛利眞人氏
■不良記者と不良少女の化かし合い?
hirayama:あの頃の女性って、なんですぐ世の中とか男性全般に復讐しようとして
「あえて」落ちぶれて、さらに世を呪うんだろうw
mori:大正期に育った人って、昭和に入って刹那的になってるんじゃないかなあ。歌
にそういうのが現われてないかなあと思うんだけど、どうだろ?
mori:そう、その復讐てやつもね。
hirayama:そう思います。大正はなんだかんだいって明るいけど、昭和に入るとヤケ
になってるっぽい。エロサービスもひどいしw
mori:うんうん、むちゃくちゃ。すてばち。で、あんまり頭使ってないというか成り
行きに流されるというか。
hirayama:そうそう。先が見えないから考えても仕方ないって感じで
mori:でも、冷めてもいるんだよね。
hirayama:冷めてますねー
mori:すごく冷めてて、どうせ~なんだから的に厭世観が蔓延してる。それも歌の歌
詞に反映してるなー
hirayama:確かに
hirayama:毛利さんだったかが「少女地獄」※1かな、ああいう作品ってあながちフィ
クションでもないのかなっていう話してましたよね
mori:少女地獄の世界はあの時代の現実にあっても、まったくおかしくないですもん。
…そういう話したっけな?
hirayama:毛利さんとした気がする
mori:あ、じゃこないだかしら。夢野の話をしたようなー
hirayama:まるでこの地球に恐竜がいたのがにわかに信じられないような
mori:うんうん
hirayama:それくらいの感覚で、ああいう不良少女とか少女売春みたいな存在ってあっ
て、それがわたしは新鮮でしたよ
mori: そうだよね! それからあの当時でそれをみごとに描いたのが「紅団」※2じゃ
ない? あれは少女たちのあこがれを間違いなく書きたてたよ!
hirayama:そうそう、紅団。でもあれ、川端はまったく取材してないって書いてたね
※3
mori:いや、川端はメモ魔でね、細かい事柄を沢山メモしてあれを書いたっていうよ。
でもそれはウソなのかな。もしウソなら考現学関係の人間と関わっていたのかもしれ
ない
mori:あの時代の不良少女の存在感て、なんだろうねえ。中二的なものとはちがうか
hirayama:うーん、思春期特有のものではあるだろうけど
hirayama:一時期、ガングロとかが「今しかできないし」とかいってたけどそれに近
い気もする、期間限定の放蕩みたいな
hirayama:もちろん、浮浪児は別だけど、ちゃんと家があるのに不良になった子ね
hirayama:期間限定のつもりが、時代も変わって環境も変わって抜けるに抜けられな
いとか
mori:実は少女たちにも現実の生活があって、そこから不良になっていったみたいな
mori:けっこう普通の家からってあるよね
hirayama:「近頃の不良は首魁が美人の女性」みたいな記事とかあって
hirayama:昭和には美人でちょっといいとこの子っぽい方がもてはやされたらしい
mori:あっ、それはある。上流にも不良多かったね。
hirayama:当時の不良ってある意味、高等遊民なんだよね
mori:で、上流でなんかことを起こすと新聞記事を金で差し止めるw
hirayama: そうそうw
mori:あれは新聞屋の副業としてかなりもうかったらしい。クオリティーペーパーが
だよ
hirayama:そんな副業がw
mori:不良記者がぎょうさん居たからwww
hirayama:当時の新聞のモラルも興味あるよー
mori:今より庶民的といえば庶民的だよねー。いわなくてもいいこといってたりw
hirayama:一般人の家に突撃ルポするわ、嘘書くわ、フルネームと親の職業書くわw
mori:そう、めっちゃくちゃ
hirayama:しかも訂正記事では謝らない。先方の抗議文を載せるだけw
hirayama:あれって、やっぱりエリート意識あったのかな、それとも草創期でわけの
わかんない人が紛れ込めた?
mori: ただ単にバリューとして面白い方を乗せただけだと思う。
hirayama:そっかw 確かに「間違えたけどおもしろいからママイキでw」って記事あっ
たわ
mori:むしろ記者のコンプレックスからきてるのかも。
hirayama:成金や華族を叩いて庶民の味方、みたいな
mori:うん、ひでーのがある。後追い記事がなかったりして、調べる方は困るんだよ
ね
mori:そうそう! 連載が途中で終ってるし。読者おいてけぼりすぎだったわ…
mori:当時の新聞は、かなり恣意的だったんすよ。そこで不良少女も報道された。
■不良女優もお忘れなく
hirayama:不良っぽい女優はいても、不良あがりはいない
mori:まあ不良上がりはいるけどね。
hirayama:筑波雪子?w
mori:筑波はモロ女優になっても不良だったしね
mori:ええとね、谷崎の痴人の愛のモデルも上流の不良あがりで女優になった、葉山
…
hirayama:葉山三千子?
mori:ああそうそう! 死亡記事が取ってあった
mori:男は多いよ。軽演劇は浅草だから、やさぐれが多くて。
hirayama:あと、元ダンサーいたね、マキノ次男の奥さんになった
mori:いたいた
hirayama:星玲子
mori:星玲子か!
mori:酒飲んでるから名前出てこねえ。ていうか記憶力落ちてんだ。でもダンサーで
も一流どころは不良でもないよ!
hirayama:そうだね、確かに。売れっ子だもん
mori:フロリダとか帝都ダンスホールとかシャンクレールのダンサーならまず一流。
銀座会館はダンサーはそこそこだけどヤクザが多くて困ったっていうね。銀座なのに
ね。
hirayama:銀座も裏通りにびっしりだもん
mori:うん、いかがわしいバーとかねー
hirayama:当時の女優が不良上がりとかびっくりだよね
■七千万総不良化時代!?
hirayama:不良女優に不良記者って、なんだか昭和初期は不良の時代? 少女だけじゃ
ないじゃん、と。不良女給もいたし
mori:たしかにwwww
hirayama:不良文士もいそうだ
hirayama:一億総不良化時代?w
mori:だねえ。当時は一億も人口なかったけど、
hirayama:そうそうw
mori:昭和17,8年あたりで七千万とか、そんなではなかったかな?
mori:新聞記事みるとのけぞるような事件がてんこ盛り
hirayama:うん、まあ今だって後からみたらそう見えるかもしれないけどね
hirayama:学校裏サイトに闇サイト、オレオレ詐欺に通り魔事件、みたいなw
mori:後から振り返ったらというか冷静に見たらなんというとんでもない時代かと。
でもその当時は、それが普通だったんだよね。
mori:通り魔とか、あと猟奇事件が異常に多いよね。
hirayama:多い。でも、メディアが好んで書くから感化された人もいた気がする。今
の通り魔とかもそうじゃない?
mori: 影響てことだと、昔は、小説や映画が大きかったんじゃないかと思うな。
《つづく…》
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※1「少女地獄」夢野久作著 黒白書房、1936(昭和11)年3月
http://www.aozora.gr.jp/cards/000096/card935.html
※2『浅草紅団』川端康成著 先進社 1930年(昭和5)年
昭和はじめの浅草を舞台にした川端康成の都市小説。不良集団「
浅草紅団」の女首領・
弓子に案内されつつ、“私”は浅草の路地に生きる人々の歓び哀感を探訪する。カジ
ノ・フォウリイの出し物と踊子達。浮浪者と娼婦。関東大震災以降の変貌する都会風
俗と、昭和恐慌の影さす終末的な不安と喧騒の世情をルポルタージュ風に描出した昭
和モダニズム文学の名篇。続篇「浅草祭」もある。(「BOOK」データベースより)
※3《しかし、「浅草紅団」は全く架空の物語である。モデルは一人もいない。浅草
紅団、浅草紫団、浅草赤帯会、黒帯会などといふ不良少年団の名称も私の仮作である。
(中略)もし強ひてモデルをもとめるとすれば、佐藤八郎氏、添田唖蝉坊氏、石角春
之助氏などの浅草の本、また不良少年研究家たちの本であらうか。それらの本のとこ
ろどころを拾ひ、つなぎ合せた部分もあるが、それらの本から浅草の雰囲気を与へら
れた恩恵は非常なものである。》(「『浅草紅団』について」)
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